淡い月明かりの下

彼と2人

ほんの僅かな時間


学生の頃の想い出を

懐かしそうに笑って話し続ける


助手席からフロントガラス越しに見上げる空

恥ずかしくて彼の顔が見れないから


身体全部で、彼の声を受けとめて

うんうん…と笑ってうなずく


不意に…運転席から伸びた彼の腕が

私を包む


そら…


彼はそう呟いて

少し背中を向けていた私を優しく包む



それでも彼の顔が見れない

彼の胸に顔をうずめて

静かに呼吸を繰り返す

…彼の鼓動に合わせて



「そら なかなか逢えなくてごめんね」


そう呟く彼


「わかってるから。大丈夫」


しばらくそのまま

包まれたまま



…タイムリミット



こんな風に2人で逢える日は

いつになるのかもわからない


雨雲の隙間から薄くさす月明かり

なんとなく2人で見上げて

やっと…彼の顔を見つめることができた


優しく笑う彼をみて

私も自然と笑顔になる



約束も

言葉も

ないけれど



…胸がいっぱい


ありがとう

逢いにきてくれて