フェンス越しのしあわせ

久しぶりの空の下

友人たちとの楽しい時間

ベンチに腰掛け、その光景を眺める

風がふわぁ…と吹く心地いい時間


声が聴こえる…

私を呼ぶ声…


…彼の声


空耳かな…

そう思っていたら

本当に彼が私の名前を呼んでいた



背中合わせのフェンス越し



事情があって

お互い背を向けたまま…



「そら 元気にしてた?」

「調子はどう?無理しちゃダメだよ」



彼が呟いた…

2人にしか聴こえない声で…



「元気だよ 大丈夫だから心配しないで」



私の声だけが風に乗り、彼に届く…



強めの風が吹いた後、

そっと彼が背中合わせのベンチを離れた



遠くなる背中を見つめてみた

彼が笑顔で歩いている気がした



ほんの少しの会話



しあわせなひととき



優しい風が吹いて

心が少し苦しくて



それでも…しあわせ